以前、仕事の打ち合わせで相手が話していたことを思い出した。
今や音楽活動は専業ではなく、兼業でやるものだと。
何らかの仕事(本業)をしつつ、ライブやレコーデイングなどの音楽活動をする形だ。
もともとバンドは、メンバー間の収入格差が生じやすい傾向を持つ。
カギとなるのは、作詞や作曲の印税収入だ。
バンドはメンバー間の収入格差が生じやすい
ありがちなパターンとして以下のようなものがあげられる。
- Vocalist:作詞担当
- Guitarist:作曲担当
クレジットは共作となっているが、代表的なのはRolling StonesのMick JaggerとKeith Richardsだろう。
ボーカル担当が作詞作曲を担当するケースも珍しくない。
そのため、他のドラムやベース、キーボードなどのメンバーとは、所属事務所からの給与にてメンバー間の収入のバランスを取るという話を聞いたことがある。
それでもCDのミリオンセラーが続出していた1990年代までは、そのパターンでもどうにか成立していたのかもしれない。
Times They’re A Changin’
2000年代後半から2010年代以降にCDが売れるのは特典付きのものか、アニメやドラマなどとのタイアップの楽曲だ。
特典の代表的なものとして、イベントの握手券があげられる。
そのような特典を入手するために、同じ人が複数枚購入することがミリオンセラーの条件へと切り替わってしまった。
中には100枚単位でCDを購入している人たちもいたとのこと。
複数枚を購入してもらうために、メンバーごとの写真集をCDごとに振り分ける手法も用いられていたりもするそうな。
でもCDの音源は同じなんだよな。
Version違いとかなら救いがあるんだろうけど。
彼らが購入したCDのすべてを聴いているかどうか?は誰にもわからない。
音楽は「無料で楽しむもの」へと変わった
そうした時期を経るうちに、音楽は動画配信サービスなどで「無料で楽しむもの」と相成ってしまった。
あとは定額制のサブスクリプションサービスだろうか。
そのことからバンドの収益は、CD<ライブに完全にシフトチェンジしてしまったのだ。
2020年代になると、最初からCDを発売しないデジタル音源のみのパターンも見受けられる。
そして著名なバンドやミュージシャンも、YouTubeのチャンネルを開設している。
ライブイベントが軒並み中止になった時期(2020年3月~2022年3月頃)とも決して無関係ではない。
ユーチューバーと呼ばれる人たちが話題になる機会が増えたことも、広告報酬による収益化のヒントとなったかと思われる。
バンドで生活できないからといっても就職も難しかったりする
世の中は目まぐるしく変わっているのだ。
しかも今やバンドで食えないから企業や団体の正社員になります、といっても難しかったりする。
何らかのコネクションがある人ならともかく、20代後半~30代以降の未経験者を雇用する企業は、そうそうあるものではない。
ほとんどの場合はブラックの香りがする企業か、もしくは派遣社員などの非正規雇用が現実的な選択肢となりそうだ。
そうなると大学を卒業して、企業や団体に就職をしつつバンド活動をする、というのもアリなのではなかろうか。
理解のある上司や同僚に恵まれることを願うばかりだ。
まとめ
頑張っていればいつか誰かが認めてくれる!とも限らない。
良い楽曲を作るのはもちろんのこと、売り出し方も各々が工夫する必要がある。
大変な時代ではあるが、なんとか生き延びようではないか。
最後まで読んでいただき、ありがとうございます。
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